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第25回: 体の"ブラックボックス"をなくそう! [講座]

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これは、私の親しい友人トレーナーの体験談です。


扁桃腺がひどく腫れ、10日間ほど緊急入院した際、その知人は半ば寝たきり状態で点滴を受け続けていました。彼にとって、これほどの点滴生活は生まれて初めての経験だったそうですが、何とも表現しがたい不安を感じたそうです。(※扁桃膿瘍といい、30代男性に多い症状のようです)


「口からはまったく食べ物を入れていないのに、体がブヨブヨと水ぶくれするようにむくんでいく。しかも極端な運動不足のせいで、気力まで日に日に失っていってしまう。かといって、自分ではどうしようもなくて、されるがまま……。なんだか気持ち悪かったよ」


点滴の仕組みが分かっている人には、何てことはないのかもしれません。でも、それが分からず、自分自身でもコントロールできないうちに体が変化、しかも本人がマイナスと思われる方向に変化してしまうのは、やっぱり気持ち悪いですし、途方に暮れてしまいますよね。


体形がゆるんでいったり、太っていったりする自分を諦めに似た境地で放置してしまうのも、ひょっとしたら、点滴を受けていた友人の心境と近いものがあるのかもしれません。


たとえば、「最近食べ過ぎていたから体重が2キロ増えた」という程度の、想定の範囲内であれば、自分の体形や体重の変化を受け入れることもできますし、食べる量を減らしたり、運動したりして平均的な体組成に戻そうと努力もするでしょう。


でも、いつからか、自分の意志と行動では取り戻せなくなってしまう。


おそらく、「太る」ということの基本的な仕組みを正しく理解していないせいで、体の中に“ブラックボックス”ができてしまい、自分の手には負えなくなってしまうのかもしれません。「痩せる」とか「体を引き締める」といった願望がどんなに強い人でも、体の成り立ちやメカニズムについては意外に無頓着な人が多いようです。


筋トレをスタートさせて間もない人から、「トレーニングをしたら、逆に体重が増えました」とか「お腹が出ました」との声を聞くこともありますが、それも体がブラックボックス化していることが原因でしょう。


人間の体は物理的なもので、体重の増減は口から取り込んだエネルギーと、体内で燃やすエネルギーの差でしかありません。


もし、トレーニングを継続しているのに太っているのだとしたら、「トレーニングの量が自分の思っているほどではなく、食事として取り込んでいるエネルギーのほうが多い」「トレーニングをしていることで安心してしまい、以前より食事の量が増えている」このどちらかでしょう。


また、筋トレを始めた当初に少々太ったと感じても、運動量自体が十分であればまったく問題ありません。基礎代謝のメカニズムを知っていたら十分想定内であることが理解できるでしょう。


 


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体重50キロの女性を例に取って基礎代謝を簡単に説明してみます。


人間の体の6~7割は水分ですから、この女性の体内の水分量はおよそ30リットル。1.5リットルのペットボトル20本分です。


女性の平均体温が36℃だと仮定すると、日々健康につつがなく生活を送るためには、1.5リットルのペットボトル20本分もの水を、常に36℃の温度で温め続けなければならないということ。この、温め続けるために必要なエネルギーが「基礎代謝」です。


体の表面で感じる体温が36℃ということは、体内でもっと体温が高い部分もあるでしょう。その温度を常にキープするためには、相当のエネルギーが必要になるわけですね。


筋肉が増えれば基礎代謝量も増えますから、エネルギーがどんどん消費され、脂肪も燃焼されます。逆に、筋力の低下に伴い基礎代謝が減ると、エネルギーが余って脂肪として蓄積されます。


 


このような体の仕組みを知っておけば、少々の太った・痩せたで一喜一憂することはありませんし、より効率的に最短距離で体形の改善を図ることができます。


どんなに筋トレを頑張ったとしても、自分の体がブラックボックスになっていたら効果を今ひとつ実感できないですし、効果が実感できなければトレーニングを続けることはできませんよね?


どんどん高性能化していくコンピュータ機器や家電とは違って、体はあなたが思うよりはるかにシンプルにできています。少しずつでもかまいませんから、その仕組みを理解して、ぜひ自分の体からブラックボックスをなくす努力をしていきましょう!


 


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<森 俊憲>


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